オ・ラパン・アジルからサン・ヴァンサン通り(Rue Saint-Vincent)を進むとブラッスリー・タルタンピオンがあったモン・スニ通り(Rue du Mont Cenis)にまた鉢合わせです。この道はかつてはモンマルトルの丘から北に向かう唯一の道でした。

 テルトル広場そばのサン・ピエール・ドゥ・モンマルトル教会前から始まるモン・スニ通りは北の郊外にあるサン・ドゥニ聖堂を結ぶ幹線路として活躍してきました。サン・ドゥニ聖堂は歴代フランス王の柩が納められている聖廟です。


 22番地の建物は1926年までは農家で、音楽家エクトール・ベルリオーズ(Hector Berlioz)が1834年から2年間住んでいました。彼はもともとパリ大学の医学生でしたが音楽の道に転じて、フランス芸術アカデミーが主催するローマ賞大賞を取るに至ります。

 ベルリオーズは交響曲の形式やオーケストラの用法を確立してワーグナーにも影響を及ぼしました。「幻想交響曲」やオペラ「トロイアの人々」が彼の代表作です。

 作家、画家、音楽家。モンマルトルでは芸術の大家の息吹を身近に感じられますね。






モンマルトルの丘散策ポイント
(所要時間:約2時間30分)